第9話:お先真っ暗

プクの公共職業訓練の話

webデザイナーが思ってたような仕事じゃないし、プログラマーとしても資質が圧倒的に足りないって思っていたよ。

もう、職業訓練も後わずかになっていたよ。

そんな時にIT企業の社長さんを招いて講義の中で座談会の時間が設けられたんだ。

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座談会

IT企業の社長さんが3名ほどだったかな。

IT業界はこんな感じっていう話をざっくばらんに話してくれたんだ。

こんな話があったんだ。

「IT企業は雰囲気は建設業に近いです。大きなプロジェクトをできるかどうかわからないけど、とりあえず引き受けて、他の会社に協力を申請して何とかする」

この話に対して別の社長さんがこんなことを言ったよ。

「今すぐにできないことでもとりあえずできますって言って何とかする力はプログラマーとして、大切な資質だよね。」

プクはこの話を聞いて、プログラマーが想像しているよりも遥かに大変な仕事何だって感じたよ。

また、別の話の流れでこんな話があったんだ。

「プロジェクトの重みに耐えかねて、逃亡する人がよくいるんだ。そうならないように事前にSOSを出して欲しいよ。」

プクはこの話のあとこんな質問をしたんだ。

「さっきお話ししたできないことをできるっていう話と今のSOSを早めに出すっていう話があったと思いますが、そこのバランスの取り方はどうしたらいいんですか?」

この質問に1人の社長さんがこう答えたんだ。

「結局仕事をしていく上で重要なのはコミュニケーション能力なんですよ。コミュニケーションが普段からうまく言ってれば、誰かがほっとかないですよ。あなたの話してる姿を見てわかるのですが、あなたなら大丈夫ですよ。」

「あなたなら大丈夫」

このセリフを聞いた時、少し複雑な心境になったんだ。

ちゃんと自分はSOSを出せるだろうか。

ひょっとしたら、仕事を1人で抱え込んでうつになってしまうのでないだろうか。

プクは過去にうつになったことがあるから、そういう思いが巡ったんだ。

飲み会

座談会の後、IT企業の社長さんとその会社の社員の人も合流して、飲み会があったんだ。

とある、若い人からこんな質問をされたよ。

「こんなプラグラム作ってみたいとかある?」

プクはプログラマーになることを想像できてなかったから何て答えればいいかわからなくて困ったんだ。

とっさにでた答えが、

「桃鉄をプログラムで作ってみたいです。」

だったんだ。

この答えにシラーって感じの雰囲気になって、その人がプクに話しかけてくれることはなくなったよ。

飲み会では、やっぱり若い子が人気だったんだ。

みんな若い子に質問していたよ。

プクは居場所がなくなっていたんだ。

そんな時、とあるおじさんがずっとプクの隣にいて、ずっとプクとお話をしてくれたんだ。

なんだかとってもホッとしたし、この人がいる会社だったら勤めてみたいな。

そう思ったんだ。

職場見学

後日、他の受講生も一緒にだけど、プクにずっと話しかけてくれたおじさんがいる会社の職場見学をする機会があったんだ。

とっても綺麗な職場でアロマの香りも漂っててリラックスできて素敵な空間だなって思ったよ。

プログラマーの方たちがパソコンに向き合ってる姿を見学させてもらったよ。

でもね、これは当たり前のことなのかもしれないけど、私語を一言も喋れるような雰囲気ではなかったんだ。

プクは「うつになってしまうんじゃないか」っていう思いは強くなっていたんだ。

とっても素敵な会社だと思ったけど、選考に進む話ももらっていたけど、断ってしまったよ。

webデザイナーもだめ、プログラマーもだめ、9ヶ月も職業訓練に通ったのにどうしようか。

プクはお先真っ暗っていう状態だったんだ。



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