内定

プクのうつの話2

今思えば、春になると
プクは途端に無気力になることが
よくあったんだ。

それまでは、ボーッとしてれば
良かったけど、
就職活動の一番頑張らなきゃいけない
ときに無気力になってしまったよ。

それでも、何とかしないといけないから、
ゾンビのように面接を受けては
落ちてを繰り返していたよ。

周りのみんなは内定もらう人が
ちょくちょく出てて、とっても焦ったよ。

大学受験のときにうつになったときに
行ったクリニックに行って
治してもらおうって思った。

前、診てもらった先生がとても
いい先生だったから、
期待していったんだ。

でも、何だか、
その先生はちょっと暗い雰囲気だったんだ。

前みたいな笑みがなくて
先生が病んでるような感じがした。

それにそこに何回か通っても
全く良くならなかったんだ。

「なにかいいきっかけがあればいいんですけどね」
って先生は言ったけど、
面接に落ちまくってるのに
いいきっかけなんかないよって思った。

いよいよ、プクはほとんど
動けなくなってしまったよ。
それに集中すると、目眩がしたんだ。

もう周りのみんなはほとんど、
内定をもらっていたと思うよ。

プクはプライドは高くないと
思っていたけど、
そこそこの大学なのに
どうして、こんな目に合わなければ
ならないんだ。
そう思うようになったんだ。

こんな風にくだらないプライドを持っている
自分が許せなくて、
叩き直してもらおうって思ったんだ。

プクは職人さんと一緒に仕事をしたら、
そんなくだらないプライドはなくなる
って思って、
建設の足場の会社を受けたんだ。

面接の前に大学時代の楽しかった写真を
持っていったよ。
そしてテニスで熱い試合を
したときのことを心に刻んで
面接に臨んだんだ。

最初の数分は何とかうまくいったんだ。
社長が多分気に入ってくれて、
途中からはずっと社長が喋ってたんだ。

もう、とうに集中力は切れていて、
社長が何を喋ってるかわかんなかったけど、
何とか乗り切ったんだ。

後日、採用の電話がかかってきたよ。
すごいホッとしたのを覚えてる。

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プクのうつの話2
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プクとプカののんびり自分らしく

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