【インドの貧困から考える】統合失調症の課題を解決する力

Nたま18期生

Nたま18期生として「インドで起こっている貧困から考える」という講義に参加しました。

場所はAHI(アジア保健研修所)で開催されました。

AHIは自国の課題を解決しようとするアジアの人たちを招いて「保健ワーカー」を育成するという活動を行っています。

今回の講義でもっとも多くの時間を使ったのがインドの赤ちゃんがなぜ死んだのかという題材のグループディスカッションでした。

皆さんの意見についていけず、かなりへこみました。

しかし、落ち込んでいる場合ではないので、何が自分に足りなかったのか分析して見ました。

これから統合失調症の課題を解決しようとするプクにとって大きな収穫になった1日。

ちょっと長いですが、最後まで見てくれると嬉しいです。

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ミクロからマクロへ

問題解決のためにはもっとも近い原因から大きいところを考えるということでした。

グループディスカッションではインドの農村で暮らす赤ちゃんが亡くなる原因を順に深掘りしていきました。

こんな感じです。

赤ちゃん死亡

脱水症状

下痢が続く

悪い菌がお腹に入る

手を洗っていない

知識が足りない

教育が受けられていない

このような深掘りがカテゴリーに分けると5、6個分類でき、それぞれのカテゴリーが複雑に絡み合うというものでした。

プクは「教育が受けられていない」という大きな原因がわかっているのになんでこんなステップを踏まなければならないのだろうという思いがありました。

グループディスカッションの時からずっと思っていましたが、講義の終盤でプクは間違っていたと気づきました。

根本原因は一つではない

1つの課題には複数の原因があって、1つの根本の原因を解決しただけでは不十分ということです。

プクは物事をシンプルに考えたいと思う性格なので、諸悪の根元をなくせばいいって思っていました。

ワンピース好きの人ならわかってもらえると思いますが、「クロコダイルをぶっ飛ばせばいいんだろ?」みたいにシンプルな解決策を模索しようとします。

例えば、医療が根本の原因だとして特効薬が開発されたら解決だと考えがちです。

しかし、現場では医療の問題はごく一部で

・衛生

・教育

・貧困

・人権

・平和

などの根本原因が複数あり、同時進行で解決していく必要があるということです。

これらの根本原因が何かということを探り出すためにもミクロからマクロへという視点が必要だということを学びました

自分ごととして捉える

これから、半年かけてNGOのことを学ぼうという研修生ばかりです。

インドの貧困問題を遠い国の出来事と捉えてしまっているのはプクだけだったのかも知れません。

プクは自分ごととして考えれるポイントを探しあぐねていました。

そしてそれは講義の終盤にようやく見つかりました。

それは「寄り添う医療」が必要ということです。

AHIができるまでのストーリーを紹介した後に、赤ちゃんの死亡と「寄り添う医療」についての話をします。

AHIができるまで

AHIができたのは、1976年に創設者がネパールに医療協力で派遣されたことがきっかけです。

皮膚がんで血が滴るまで悪化している女性が運び込まれました。

「足を切断しなければあなたの命が危ない」と創設者は告げました。

しかし、女性は「切らないでください」と伝えました。

彼女は足を切断して生き残るよりも、命ある限り水汲みの労働をすることを選んだのです。

そうしないと子供たちが生きていけないからです。

そして、さらに自分が死んだら、夫は新しい妻と結婚することができるから、子供たちは守られる。

という話です。

見つかりません | アジア保健研修所(AHI)

自分の命よりも家族を大切にする女性の姿に、医療だけでは解決できないことが詰まっていることがわかります。

創設者は「健康とは共に生きること」と言っています。

普通は「健康」について考えるとき自分のことだけ考えがちですが、「寄り添う」以上のことが重要と思っていることがわかります。

寄り添う医療

話を「赤ちゃんの死亡」に戻すと

「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ」という医者が登場します。

「もっと寄り添える医療ができていれば」という話を聞いた時、なぜプクはそこの原因に気付けなかったのだろう。

そう思って落胆しました。

この物語には伝統治療師も登場します。

プクは統合失調症の治療は先進国の高度な医療よりも、途上国の伝統医療の方が予後がいいという話を聞いたことがあります。

伝統治療師の話を深掘りしたかったのですが、赤ちゃんが死亡した原因に「寄り添える医療」がないとわかっていれば、グループディスカッションでも意見を言えたはずでした。

グループの他の方は自分の意思が確立されてたから、意見をどんどん言えたのだと思います。

「寄り添う医療」が自分ごととして捉えられる視点だと気づけたことが大きな収穫です。

当事者の声に耳を傾ける

グループディスカッションをしている最中に違和感をずっと感じてました。

何か決定的なものが足りてない。

それはここまで話した通り、

・「マクロからミクロへ」という方法の仕方

・「自分ごと」として問題を捉えられていなかった

という点だけではありませんでした。

これも講義の最後の説明で気づいたのですが、その違和感の正体は「当事者がいない」ということです。

「赤ちゃんの死亡」の原因を深掘りし解決するには現地に足を運んで、その地域の人から話を聞くことが大切です。

もちろん今回はグループ演習なので、現地の方が参加するのは難しいことですが、実際は「当事者」の人たちに必要とされる支援でなければなりません。

そのために、「当事者」の声に耳を傾けるのは必要不可欠です。

信頼を築く

「当事者の声に耳を傾ける」とは簡単なことのように思えます。

しかし、「新しいことをするのに、どうやって周りを説得するのか?」そういう視点を持った研修生もいました。

これに対しての回答は

・この人だったら話を聞いてくれるかな?

・この人だったら一緒にやってくれるかな?

という人を探して、関係づくりを続けてから提案するということでした。

プクは「当事者のことを思ってやるのだから賛同は得られるだろう」

という思いがあったのだと思います。

「何をするか」「どうするか」などを考える前にやるべきことがある。

当事者の声に耳を傾けるもっと前に「信頼関係を作る」ことが大切ということに気づきました。

おわりに

前回の講義ではプクのアイデンティティは「当事者の立場に立って身体拘束問題を解決する」ということを確認できました。

今回の講義で学んだ

・ミクロからマクロへ

・自分ごととして捉える

・当事者の声に耳を傾ける

ということを念頭に入れて取り組んでいきたいです。

偶然にも先日、「精神科特例を撤廃しよう」というキャンペーンがあるのを知りました。

身体拘束問題の原因には精神科の人で不足が考えられます。

そして医師と看護師が一般病棟に比べて少なくていいという精神科特例があります。

そしてなぜそんな特例があるのかというと1958年まで遡ることになります。

時代錯誤な特例を撤廃するためにプクはこのキャンペーンに賛同いたします。

この件についてはまた後日詳しくお話ししたいです。

長文になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。





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