フリーター

プクのうつの話2

3ヶ月で貯金を使い果たしてしまったよ。
でも、お金はすぐに貯まるって思ってた。

格安のアパートを借りて、
フリーターをしながらお金を貯めて
ロンドンに留学する。
そう思ってたんだ。

組織には属さない
自分の中で正当化してたけど、
本当はまたうつになるのが
怖かったんだ。

アルバイトなら、責任感そこまでないし
やっていけるだろう、そう思ってたよ。

時給1,500円くらいのクレジットカードの
勧誘の仕事をやったよ。
生活はできたけど、
でも、思ったようにお金が貯まらなくて
あれ?なんか思ってたの違うって思ったんだ。

そしてその仕事が打ち切りになってしまって
プクは別の仕事を探すことになったんだ。

そのころは今思えば、
リーマンショック直後だったんだ。

アルバイトだから簡単に見つかるだろうって
思ってたけど、
いっぱいアルバイトの面接に落ちたんだ。

タワーレコードの面接に行ったんだ。
プクはこの頃ロンドンに行くのは
「ロックの街を作るため」っていう夢に
変わってたんだ。

それを面接で言ったら、すごいシラーってされたよ。
アルバイトで生活はできるんですかとか
現実的なことばかり聞かれて
ロックじゃないなとか思ったよ。

今まではなんとか生活できてたけど、
お金がもうほんとになくなってしまったんだ。

餓死するのかもしれない
って思ったよ。

家の近くの190円のカレーだけたべて
お腹が空かないように家でじっとして、
水道水を飲んだよ。

何か食べないと。
そう思って中華料理屋さんに面接を
受けに行ったんだ。

まさか、ここに
5年間もお世話になるなんて
このときは思ってなかったけどね。

とにかくプクは世間知らずだった。

今までお金に苦労したことなかったし、
フリーターで貯金をすることが
難しいってことが全くわかってなかった。

家賃とか光熱費とか保険とか年金とか住民税とか
そういうことを考えたことがなかったんだ。

学生のアルバイトの延長で
全部貯金できるって思ってた。

就職したときも、使う暇なかったから、
固定費がうんぬんなんて考えてなかったんだ。

当たり前のことだけど、
身を持ってお金の厳しさを知ったのは
良かったと思ってる。

そうしないとひょっとして、
40,50になって後先考えずに
脱サラして独立しようなんて
思ってたかもしれないしね。

というか、プクには不思議なんだ。

なんで、他の人は人生において
さすらう期間がまったくなく
学生から社会人にずっといられるんだろう。

プクが頭が悪すぎるのかな。

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