新入社員

プクのうつの話2

プクは建築用の足場の会社に就職したよ。

ハウスメーカーとか工務店に
飛び込み営業をして、
うちの足場を使ってくださいって
言うんだ。

最初は怖かったんだけど、
飛び込むこと自体は慣れるんだ。

断られるのが普通だから、
何を話そうかとか考えないで、
とりあえず突っ込むんだ。

だから、たまに話を聞いてくれる
って展開になると
何も用意してないから焦るんだ。

自分で資料を作ったりして
やりがいを持ってやったときもあったよ。

そして1年目の真夏に
繁忙期がやってくるんだ。

忙しくて、仕事が回らないから、
営業マンも現場に出るんだ。

朝5時に起きて、現場に行って、
事務所に戻って事務処理して、
日付が変わってから退社して
また、5時に起きて現場に行って。。。

熱い中、重たい鉄の柱をひたすら職人さんに渡すんだ。
腕が上がらなくなったこともあったよ。

怖い職人さんもいて、
鉄の部品を投げられたこともあったよ。

でも、大体の職人さんと仲良くなって
休憩の時に飲むコーラがこの世で一番美味しい
って思ったんだ。

毎朝、筋肉痛で目覚められなかったけど、
毎日、途中からランナーズハイみたいになったよ。
こんな生活が1ヶ月間ずっと続いたんだ。

この時は他に何も考えられる余裕は
なかったし、
苦労してる自分が誇らしかったよ。

でも、その後、閑散期を迎えて
プクは徐々にリズムを崩していくよ。

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