小学校4(学級崩壊といじめ)

プクのうつの話

プクのクラスには問題児が2人いたんだ。

その子たちは暴れたり、
授業中は床に寝そべったりしてたんだ。

2人とも腕っぷしが強くて、いったん暴れたら、
先生たちが抑えるのもとっても大変だったんだ。

1人いるだけでも手を焼くのに、
2人もいるもんだから、授業が全く進まなかったんだ。

その当時、学級崩壊って言う言葉はまだなかったと思うけど、
たぶんそう呼んでもよかったような状況だったよ。

その2人は仲良しってわけでもなかったと思う。

片方の子はある子を執拗にいじめてたんだ。
ひどい悪口を言ったりしてたんだ。

プクはそれがものすごく許せなくて、
いつもその子にぶつかっていたよ。

それなのに、先生はプクを怒ったんだ。
「そんなに突っかからないで」って。

なんで怒られたのかわからず、
なんとも言えない、
歯痒いような、悲しいような気持ちを感じたよ。

あるとき、その子がプクの消しゴムを取ったんだ。
お気に入りの消しゴムだったから、
すぐに取り返そうと思ったんだけど、我慢したんだ。

ちょっとした後に、消しゴムを使いたくなったから、
「さっき持っていった消しゴム返してくれない?」って
言ったら、すんなり返してくれたんだ。

先生はそれを見てプクを褒めたんだ。
「よく我慢できたね。」って。

プクはなんで褒められたのかわからなかったよ。

そんなことがあったからかどうかは、関係ないかもしれないけど、
いつしかプクは、
いじめを見かけても何も言わなくなったんだ。
見て見ぬふりをしてた。

それはプクの中にある正義感とか純粋さとか
大切にしたいことへの裏切りのように感じたよ。

今思えば、いじめてた子も
いろんな事情を抱えていたのかもしれないなって思う。

当時もそんな風に思っていれば、
先生の言うことにも納得できたんだろうな。

でもその時のプクは、
何度も心の中でそのいじめっ子を恨んだよ。

それに、いじめられている方が悪い
なんて思うようになったんだ。

心が歪んだ瞬間かもしれない。

コメント