プクのクラスには問題児が2人いたんだ。
その子たちは暴れたり、
授業中は床に寝そべったりしてたんだ。
2人とも腕っぷしが強くて、いったん暴れたら、
先生たちが抑えるのもとっても大変だったんだ。
1人いるだけでも手を焼くのに、
2人もいるもんだから、授業が全く進まなかったんだ。
その当時、学級崩壊って言う言葉はまだなかったと思うけど、
たぶんそう呼んでもよかったような状況だったよ。
その2人は仲良しってわけでもなかったと思う。
片方の子はある子を執拗にいじめてたんだ。
ひどい悪口を言ったりしてたんだ。
プクはそれがものすごく許せなくて、
いつもその子にぶつかっていたよ。
それなのに、先生はプクを怒ったんだ。
「そんなに突っかからないで」って。
なんで怒られたのかわからず、
なんとも言えない、
歯痒いような、悲しいような気持ちを感じたよ。
あるとき、その子がプクの消しゴムを取ったんだ。
お気に入りの消しゴムだったから、
すぐに取り返そうと思ったんだけど、我慢したんだ。
ちょっとした後に、消しゴムを使いたくなったから、
「さっき持っていった消しゴム返してくれない?」って
言ったら、すんなり返してくれたんだ。
先生はそれを見てプクを褒めたんだ。
「よく我慢できたね。」って。
プクはなんで褒められたのかわからなかったよ。
そんなことがあったからかどうかは、関係ないかもしれないけど、
いつしかプクは、
いじめを見かけても何も言わなくなったんだ。
見て見ぬふりをしてた。
それはプクの中にある正義感とか純粋さとか
大切にしたいことへの裏切りのように感じたよ。
今思えば、いじめてた子も
いろんな事情を抱えていたのかもしれないなって思う。
当時もそんな風に思っていれば、
先生の言うことにも納得できたんだろうな。
でもその時のプクは、
何度も心の中でそのいじめっ子を恨んだよ。
それに、いじめられている方が悪い
なんて思うようになったんだ。
心が歪んだ瞬間かもしれない。
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