支援する立場の家族にとって統合失調症への接し方は、
誰にも相談することができなく、相談したとしても、とにかく医療に繋げろと言われる。
そういう方が多いのではないでしょうか。
実際プクも入院させないのは、家族として社会的責任を果たしていないって非難されたこともあるよ。
仮に、無理矢理に医療に繋げたとしても、
・医療に不信感を持ち、治療を継続することができない。
・家族間での信頼関係がなくなり、何を言っても聞いてくれない
ということが起こることはよく耳にします。
プクは奥さんのプカの統合失調症に寄り添って10年になります。
それまでたくさんの間違った接し方をしてきて症状を悪化させてしまったこともあります。
そのような時期を乗り越え今は、納得して治療に臨んで、一般就労もできるようになりました。
そこで本日は、書籍「サラとソロモン」から学べる統合失調症の接し方を3ステップでお伝えします。
支援する家族が心の通った接し方によって、適切な治療の後押しするのきっかけになれば嬉しいです。
「サラとソロモン」が統合失調症への接し方に向いてる理由
「サラとソロモン」は少女と賢いフクロウの物語です。
幸せになりたいと願う少女「サラ」にフクロウの「ソロモン」が幸せになる方法を教えます。
この物語が統合失調症への接し方に向いているのは何かを掴みかけても何度も辛いことがサラに訪れるからです。
統合失調症は良くなったり悪くなったりを繰り返します。
その度に家族は一喜一憂するかもしれません。
プクは何度も落胆しては困難を克服するサラの姿と、
プカの統合失調症の経過を重ね合わせながら読んだよ。
「サラとソロモン」の中で紹介されている数ある教えの中から、統合失調症を支援する家族がリカバリー(回復)に向けて後押しできるものをお伝えします。
プクの友達のカバがみんなの意見を代弁して突っ込むよ。
気軽に最後まで見てね。
ステップ1:統合失調症を病人として接しない
ソロモンは病気の人のことを病気の人と思って見ないようにすることが大事。
と言っています。
じゃ、病気の人を助けるにはどうしたらいいの?
その疑問に対してソロモンは
・健康を回復しつつある人として見る
・健康だったときのことを思い出す
と言っています。
心で思っていることと言動が一致しないのが統合失調症。
どんなにひどい言葉を投げかけられても、心の中にある優しさを信じることが大切です。
ステップ2:症状に振り回されない
ここまでは、統合失調症を病気とみなすのではなく、健康を回復しつつある人や、心の中の優しさを信じることが大切という話をしてきました。
とは言っても、長い間症状が続いたらそんなことも言ってられないんじゃない?
そうなんだよ。
何度も何度も良くなったり悪くなったりを繰り返すから、
途中で心が折れてしまったことがプクは何度もあるよ。
そこで、大切なことがまずは自分が周りの状況に振り回されないことです。
それで、どうやったら周りの状況に振り回せれなくなるの?
ソロモンは
完璧な場所を探し出すんじゃなくて、望んでいるものを今いる場所で見つけ出すことが大切と言っています。
ソロモンに言わせれば、
・症状が良くならないのは社会や医療に問題がある
・統合失調症がなければもっと楽な生活ができてたのに
と考えるのは罠にはまってしまっていることになります。
つまり、世の中には「望んでいること」と「望んでいない」ことがあって、完璧な世界はありえないということです。
場所や状況が悪いからと言ってその場を去ってもほとんど同じことが起こる。
とソロモンは言っています。
なんだか、とても厳しい考え方な気がするな。
うん。そうなんだ。
いつもは優しいソロモンがこのときは厳しい言葉をサラにかけたんだ
そしてソロモンはこう教えてくれます。
幸せは周りの状況で決まらない。
それがわかったときに本当の自由になれる
と。
プクも未だにプカの陰性症状が強いときになんで家事やってくれないの?って怒っちゃうよ
それはプカがやってくれないと自由になれないってプクが思ってるってことだよね?
そう。
こんな風に気づけたらプクの幸せはプカの症状では決まらないって思えばいいのです!
ステップ3:心を開いて背中を後押しすること
ここまで、統合失調症を病人とみなさないことと、症状に振り回されず自由になることについてお話ししました。
家族が自由になったところで症状が回復するわけじゃないよね。
そうなんだ。
家族ができることは背中を後押しすることだよ。
ソロモンは自由になっていることを「心が開いている状態」と言っています。
心が開いている状態とは、幸せのエネルギーが体の中に常に流れていて、そのエネルギーを周りにも振りまいていることを言います。
そうすると、
・心の扉の端っこでためらっている人の扉を開けることになる。
・今現在だけでなく、明日、あさってにもいい影響を与える
ことになります。
つまり、心を開いて統合失調症に接すると、心の中にある本当の優しさを引き出し、自然とリカバリー(回復)につながる行動をとるようになります。
プクがこの本に出会ったのはプカが陰性症状が強いときだったよ。
でも、「心を開いて」接して、心の底から「ゆっくりしてね 」って言えたんだ。
プカはその言葉が嬉しかったって言ってたね。
そのときはまだ、医療に不信感があったみたいだけど、それから納得して治療できるようになったよね。
このように、心を開いて接したことで、プカは自らリカバリー(回復)する道を選んでいきました。
まとめ:医療につなげることが家族のゴール
ここまでの話をまとめると、家族は、
・統合失調症を病人として扱わないこと
・症状に振り回されないこと
・心を開いて背中を後押しすること
という話をしました。
もっと早くにこの本に出会っていれば、もっと早くいい方向に向かっていたんじゃないかなって思ってます。
医療に繋げなければ何も始まらないという人がいるかも知れませんが、家族にとっては医療に繋げることがゴールです。
病識を持って納得した治療ができればあとは本人に任せればいいからです。
そのきっかけをつかむためにも是非「サラとソロモン」を手に取ってみてください。
※この本を読んでプク自身も含めて人生が好転したという話はこちら
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